就業規則の必要性とは?

いくら院長の腕が良くてもスタッフが集まらなくては、経営は成り立ちません。しかし、とにかく人が集まればいいというものではないことはお分かりだと思います。
実際に、開業時に必要なスタッフを集めたものの、なぜか1年もしないうちにどんどん辞めてしまったというケースも耳にします。

“スタッフが働きやすい環境を作ること”

クリニックを運営する際に、これも絶対に手を抜けない仕事の一つだと言えるのではないでしょうか。

双方ともに働きやすい土台を作るためにできること

では、どのような点に留意すれば、雇用者側とスタッフ側の双方にとって気持ちよく働くことが出来るのでしょうか。
衛生管理やスタッフ間のコミュニケーション・・・
色々と思い浮かびますが、重要でないことを探す方が難しいかもしれませんね。

今回は、それらの骨組となるような「就業規則」の大切さについて言及していきたいいと思います。

かつて、ある病院で労働時間と報酬についてトラブルに遭遇したことがあります。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、ドクターは医局人事で勤務先が決まることも多く、採用時に勤務条件などをあまり確認しない方もいらっしゃいます。

いや、むしろ丁寧に確認する方のほうが経験上少ないのではないでしょうか。

ところが、それが大きなネックとなることがあるのです。

「医局人事で決まったのだから、ここのルールに従うしかないよね。」
という方もが大半のような気がしますが
「そんなの聞いていない。」「前の職場よりも給料がかなり下がっている」
と、憤慨される方も中にはいらっしゃいます。
特に、ご自身で法律をよく学んでおられたり、ご家族がいらっしゃる場合に多いように見受けられます。

このようなケースでは、何度も話し合ってご理解していただくことが基本となりますが、やはり納得いかずに労働基準監督署へ駆け込むといったことも。

これでは、例え解決したとしてもシコリが残ってしまいますし、何より他のスタッフや新たに人を雇おうと思った時に良くない噂が妨げとなってしまうことが考えられます。

気持ちよく、そしてトラブルなく働いてもらうために、予め労働条件等を明示する時間を作ることは欠かせません。たまに、どこかの施設で使われている就業規則を持ってきただけといった体裁だけ繕っているところもありますが、それはもってのほか。ここで作成の手間を省いてしまうと、先に述べたようなトラブルの一因となってしまうのです。

また、苦労して作成した就業規則は大事そうにそっと机の中にしまっておくことのないようにしたいものです。必ず、スタッフの理解を確認した上で、いつでも見ることができるような環境においておくこともポイントです。

こうするとで、万が一スタッフを解雇することになった場合など、起こりやすいトラブルを未然に防いでくれる頼もしい存在になってくれることでしょう。

うちは正規の職員が数名しかいないから、作らなくてもいいのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、労働基準法89条ではスタッフが10名以上いる場合に就業規則の作成が義務化しており、ここには短時間のパート職員も含まれます。

就業規則はしっかりと作られているのか、そして、現状に即しているのかどうか、定期的に見直す機会を作ることも風通しの良いクリニック運営に必要な事だと言えます。