【人事評価】〜人物評価と人材評価の混同〜

前回、(だいぶ前になりますが)フィードバックについてちょっと脱線して、日本サッカー協会の監督解任騒動を例にして「ミスマッチ」と日々のフィードバックの重要性について書かせていただきましたが、ここから数回は人事評価のフィードバックに際して、少し一般論を書きたいと思います。

これらは、あくまで人事評価制度が導入されている一般企業を対象としていますので、このサイトを読まれる皆さまにとって、どのくらいお役にたつかはわかりませんが、「評価する側」の心構え、「評価される側」のスタンスとしては通じるものがあると思いますので、参考にしていただければ幸いです。 

人物評価と人材評価

人事評価、特に評価点をつけたりフィードバックを行う際に、知らず知らずの間に評価者が起こしがちな行動として、「人物評価と人材評価の混同」があります。人材評価とは、文字通り対象者個人の良しあしを、個人の判断や感情で評価するものであり、人材評価は一定の基準・ルール(行動や成果)に基づいて組織人材としての評価を行うことです。

評価者も人間ですから、100パーセント感情を交えずに評価をすることは不可能ですし、むしろフィードバックそのものには対象者に応じた人間らしい対応をすることが求められます。

しかし、人事評価の場面でなくても「●●さんは寡黙で何を考えているかわからないところがあるので仕事もできない(だろう)」「▲▲さんは明るく誰からも好かれるので、能力が高い(だろう)」のような、本人の性格や人柄で、「できる・できない」を判断してしまったことは誰でも一度はあるのではないでしょうか。

実はこれが「人物評価」で、●●さんは確かに寡黙でコミュニケーション能力に疑問はあるけれども、実は仕事がものすごく緻密で正確だったり、▲▲さんは明るくて職場の潤滑油になっていても、実務面ではミスが多かったりすることもあり、「仕事を軸」として考える(=人材評価)と、必ずしも本人の人物的な特性とは一致しないことが見えてきます。

本人の性格や個性が仕事において重要なファクターになることは、特に人に多く接する職種ではあることですが、その場合でも仕事上での行動や成果を基準に考えることがポイントとなります。なぜなら、仕事上での行動は評価者が評価の内容や今後のアドバイスをすることができますが、人物評価ではそれができないからです(「性格直せ」とか、本人のパーソナリティーに踏み込んでしまうことになるので…)。

少人数の職場で、評価者や経営者と従業員の距離が近く、家族のような信頼関係を築けているのであれば人物評価も可能ですが、ある程度組織が大きくなる(おおむね20人以上)と、人材評価をしっかり行うことが重要になります。