良好な人間関係が患者減を防ぐ〜病院と薬局の事例

病院やクリニックと薬局は車の車輪や急流下りの船頭のように例えられることがあります。
どちらか一方が間違った方向へ進もうとしては、正しい方向へ進めなくなる、ということですね。

私が営業職時代に担当していた病院の門前薬局の先生でこんなことがありました。

「病院の先生の処方で、患者さんにあまり適切でないと考えられる処方(かなり注意が必要になったり、副作用が出る可能性が高い)が出されていて、疑義照会(電話等で処方医に確認を取り、処方意図の確認や変更をしてもらう)を行うも全く相手にしてもらえない。そういった処方が毎日のようにあり、このままだといつ患者さんに何か起こってもおかしくないと思う。」

その問題となっていた処方の中には私が担当していた医薬品もあったため、もちろん処方医の先生に何度も安全性情報や注意が必要な状況などをお伝えしていましたが、なかなか伝わらなかったのが現状です。

そんな日が続いたところ、改めて薬局に伺うと薬剤師の先生は
「最近は、ほんとに患者さんに迷惑がかかりそうな場合は他院の先生を紹介し、そちらに行くように勧めている。患者さんはもしかしたらそちらの近隣薬局で薬をもらうことになるかもしれないが、それもしょうがない。」
とのことでした。

患者さんのことを第一に考えた上での苦渋の判断であったと思います。

こういった薬剤師と医師の力関係はどこの施設にも存在しているように感じます。

上記の薬局は“患者さん第一”に医師に罵倒されながらも疑義照会をされておりましたが、ほとんどの薬局ではたとえ疑問を感じても医師からのクレームや圧力を恐れて、意味のある照会はほとんどできていないのが現状です。

実際に、門前のクリニックといざこざがあり、処方箋が回って来なくなった、という実例も聞かれます。

私はこういった状況を敢えて病院の事務長にお話しすることにしました。事務長であれば病院の経営状態や周辺施設との連携に詳しいと考えたからです。
実際に面会して状況をお話ししてみると、「まったく知らなかった。急いで院内外の関係者にも確認をとって状況を確認する」と驚いていらっしゃいました。病院側としても、患者の減少=収益減少になりますし、危機感を感じられたのだと思います。

その後しばらくして、病院には新しい医師が就任され、問題となっていた医師は異動されておりました。

薬局の先生は「病院の事務長が定期的に情報交換に来てくれて、お互いに仕事がやりやすくなった」と喜んでいらっしゃいました。

冒頭でお話しした通り、病院やクリニックと薬局は車の車輪であり、船の船頭です。
どちらともに思い合って進んでいけるといいですよね。

その後の問題の医師はと言うと、「あの病院は俺には合わない。職員も使えないやつが多い」とおっしゃっておりましたが…。

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